胃癌は早期発見が重要です
わが国の胃癌患者数
欧米に比べてアジアでは胃癌の患者さんが多く、日本では2017年には新たに約13万人(男性が約9万人、女性が約4万人)が胃癌と診断されています。男性が女性の2倍以上を占めています。
胃癌にかかりやすい人
ピロリ菌陽性者や塩辛いものが好きな人、喫煙者が胃癌にかかりやすいとされています。人口10万人あたりの胃癌患者数は男女とも50歳を超えると急激に増加して85~90歳でピークに達します。
→ピロリ菌陽性者は積極的に除菌しましょう。保険診療で治療が出来ます。また、塩蔵品摂取を控えること、禁煙も大切です。胃癌のリスクが高い人は40代後半から胃カメラを積極的に受けて下さい。
胃癌の治療
早期胃癌で発見された場合には、胃を切除しない内視鏡的治療や、腹腔鏡下手術(腹部に小さな穴を開けて行う胃切除術)など身体に優しい低侵襲治療が可能です。一方、進行癌やリンパ節転移がある患者さんは開腹手術が選択され、さらに腹膜転移や肝臓への転移など胃から遠隔部位に転移している場合には手術よりむしろ抗癌剤治療が選択されます。
胃癌の死亡率
2019年の胃癌による死亡数は約4.3万人(男性が2.8万人、女性が1.5万)でした。胃癌と診断されてから5年後の相対生存率は約67%であり、胃癌と診断された3人に1人が5年以内に亡くなっているのが現状です。一方、早期胃癌治療後の5年生存率は90%以上と非常に良好です。
→早期発見・早期治療が大切です
当院での上部内視鏡検査
患者さんが苦しまないことを最も重視しています。検査前に患者さんと十分相談して、鎮静剤を使用した経口内視鏡や細径内視鏡を用いた経鼻検査を実施しています。苦しくない検査により精密な診断を行って、胃癌治療ガイドラインに則った適切な治療方針を提示致します。
早期発見のために
胃癌は早期発見が大切ですので、是非とも検診を受けて下さい。世田谷区では胃癌検診が大変充実しています。無症状のうちに検査を行って、早期発見・早期治療を図り、胃癌で苦しむ人、胃癌で亡くなる人を少なくすることが目標です。また、胃の症状(胃痛、吐き気、胃部不快感など)がありましたら、お気軽に当クリニックを受診して下さい。