医療法人社団 土筆会
桜丘クリニック

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Q&AQUESTION & ANSWER

消化器の病気のQ&A

胃・十二指腸潰瘍とは?
どんな病気ですか?

Q.01胃・十二指腸潰瘍はどんな病気でしょうか?

胃・十二指腸潰瘍は、消化性潰瘍ともいい、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を食物と同じように消化して傷つけてしまう病気です。 胃潰瘍は、中年以降に多く、また、十二指腸潰瘍は、青年・壮年に多くみられます。
男女差では、男性に多いのが特徴です。消化性潰瘍と一口にいっても、短期間で治るもの、手術が必要なものなど、程度によって治療の方法は異なります。

Q.02どんな症状がでますか?

みぞおちの痛み、胃のもたれ、胸やけ、腹部膨満感などの症状が現れることがありますが、症状のない方もいます。

Q.03どんな原因が考えられますか?

第一の原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染があります。日本人の胃潰瘍、十二腸潰瘍の中で最も多い原因です。
第二の原因として、非ステロイド系抗炎症薬の副作用が考えられます。
非ステロイド系抗炎症薬とは、ステロイドではない抗炎症薬すべての総称です。疼痛、発熱、炎症の治療に用いられます。NSAIDs(非ステロイド消炎物質)とも呼ばれています。
第三の原因として、ストレスがあげられます。
胃・十二指腸はとてもデリケートな臓器で、ストレスや暴飲暴食、喫煙などの影響で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症することも珍しくありません。

Q.04ピロリ菌に感染するとどのようになるのか?

ピロリ菌に感染した人のすべてが胃潰瘍や十二指腸潰瘍になるわけではありません。ピロリ菌に感染するとまず、慢性胃炎となり、その中の一部が進行して慢性胃潰瘍や十二指腸潰瘍になります。
日本の中高年の人の70~80%の人がピロリ菌に感染しているといわれていますが、そのなかで慢性胃潰瘍にまで進行するのは約2~3%、胃がんになるのは0.5%程度と言われています。
また、ピロリ菌に感染してから胃潰瘍、十二指腸潰瘍を発症するまでには、長い年月がかかると考えられます。

ピロリ菌は、まだよくわかっていませんが、口から胃の中に感染するのだろうと言われています。ピロリ菌に感染すると、むかつきや胃の不快感、軽い上腹部痛などが起こりますが、1週間ほどで治まり、その後は何の症状もないので、気づかない場合がほとんどです。

Q.05ストレスがある場合どのようになるのか?

通常、内臓の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)によって調整されています。強いストレスを受けるとこれらの神経が影響を受け、胃の調節機能に支障をきたすのです。ストレスを受けると、交感神経が働き、胃粘膜の血管が収縮し、血流が滞ります。

この緊張状態がゆるむと、今度は副交感神経が働きます。すると、胃腺から胃酸の分泌も高まります。また、血管が拡張して血流が増え、活性酸素が発生します。この胃酸と活性酸素が胃粘膜を攻撃し、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を起こすと考えられます。

Q.06非ステロイド系抗炎症薬にはどんな薬が他にあるのか?

アセチルサリチル酸(商品名:アスピリン®) 、イブプロフェン(商品名:ブルフェン®、エスタックイブ) 、ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン®) 、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン®) 、アセトアミノフェン(カロナール®,アンヒバ®坐剤)などがその仲間です。
これらの薬剤は、消化管の炎症の副作用があり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を誘発することがあります。

Q.07放っておくと・・・

自然に治ることもありますが、再発することも多い病気です。放置して潰瘍が進行し、胃や十二指腸の壁に穴が開くと出血や腹膜炎の原因になります。
また、少数ですが、がんに進行することもあるので、早めの治療が肝要です。

Q.08検査の方法は・・・

胃カメラで胃、十二指腸の粘膜を観察することが確実です。

Q.09治療の方法は・・・

ピロリ菌の感染には除菌を行います。
除菌のためには、抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬を1週間服用することになります。
薬物による潰瘍なら薬物の中止を試み、胃の粘膜を保護します。
ストレスが原因であるならば、ストレスを減らすような生活習慣を心がけます。
脂っこいものや過食を避け、胃・十二指腸に負担をかけない食生活が重要です。

胃がんについて

Q.01胃がんとは・・・

胃の粘膜から発生する悪性腫瘍です。ごく早期であればほぼ100%治る病気ですが、進行すると根治が難しい場合があります。

Q.02症状は・・・

早期では症状がないことがほとんどです。あるいは胃潰瘍と同様の症状が出ることもあります。
進行すると、吐き気や嘔吐 、食欲減退 、体重減少 、体調不良や疲労感、 吐血や下血・黒色便 が出ることがあります。

Q.03検査は・・・

胃のバリウム検査で見つかることもありますが、早期のうちに見つけるためには、胃カメラが効率のいい方法です。
最終的には胃カメラで病変部の組織を採って診断します。

Q.04治療法は・・・

がんの進行状況によって術式は様々ですが、がんの切除術が基本です。胃の表面の粘膜にとどまる早期のがんでは、内視鏡的に粘膜切除を行うこともできます。
がん切除術の場合、胃を3分の2以上切除したうえで、近くのリンパ節も取り除くのが標準的な手術法です。

Q.05手術後の生活は・・・

胃がんの手術をして、胃が小さくなると、食べ物が急に小腸へ落ちるため、冷や汗やめまいなどの「ダンピング」と呼ばれる症状が起きる場合があります。神経も一緒に切除されるために下痢を起こしやすくなります。
そのため、退院した後は、食事のとり方に注意が必要です。
手術により胃が小さくなり、体力もおちているので、少量で栄養のあるものを摂取し、体力の回復を促すことが重要です。脂肪やたんぱく質を含む肉や魚の摂取を心掛け、少量ずつ、回数を分けて食事をすることをお勧めしています。
また、定期的に検査を受け、がん再発防止と体力の回復に努めます。

大腸がんについて

Q.01どんな症状があるのでしょうか?

小さいポリープのうちは症状が全くありません。
がんが大きくなってくると、下血(下血、血便)、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満、便通異常(便がすっきり出ない、残便感がある、便が細い)のような様々な症状が出現します。

Q.02どんな検査があるのでしょうか?

進行がんを発見するスクリーニング検査として広く行われているのは便潜血反応検査です。これは、自宅で便を少し取るだけの簡単な検査です。
便潜血反応が陽性になった方は、大腸カメラ(内視鏡検査)を行います。
その他に、肛門からバリウムを注入してレントゲンを撮影する「注腸検査」を行うこともあります。やはり、大腸カメラで腫瘍の組織を採取することで確定診断となります。

Q.03治療法にはどんなものがあるでしょうか?

ポリープが小さいうちは、無理に切除しなくても経過観察で十分です。やや大きくなってきたものは、(がん化する可能性を考えて)内視鏡で切除することが可能です。
がんとしてある程度の大きさになってきた場合、開腹手術(あるいは腹腔鏡手術)となり、がんを含んだ大腸を切除することが標準的治療です。肛門に近い部分にできる一部の直腸がんでは、肛門ごと切除して人工肛門になる場合もあります。
手術で取りきれないがんは抗がん剤治療の適応となります。

Q.04大腸がんにかかった家族がいるのですが?

家族性に発症・遺伝するポリポーシスが元になる大腸がんや、ポリポーシスとは関係ない遺伝性の大腸がんもありますが、むしろ、遺伝では証明されない単発性の大腸がんも多いのです。
特殊な腸炎の中には、炎症が長年続いた結果、大腸がんが発生することも知られています。

Q.05大腸がんの発症は食事と関係があるのでしょうか?

かつては日本人に少なく、欧米人により多く発症していたこともあり、肉食中心だったり食物繊維が少ない食生活、運動不足、便秘が原因のひとつに考えられていましたが、最近の研究では、肉食も、食物繊維も関係ないとの報告もあります。

逆流性食道炎(胃食道逆流症)について

Q.01逆流性食道炎(胃食道逆流症)とは?

食道と胃の境目を締めつける筋肉が緩むと、胃液が食道へ逆流して、胸焼けなどの症状が起こることがあります。
逆流した胃液に含まれる胃酸によって、食道の粘膜に炎症が起こり傷がついている場合には「逆流性食道炎」と呼ばれます。ところが、最近、胸焼けなどの症状はあっても、食道の粘膜に傷がない患者さんも多いことがわかってきました。
そのため、食道の粘膜に傷があるかないかにかかわらず、胃液の逆流によって胸焼けなどの症状が起きている状態をまとめて、最近では「胃食道逆流症」ととらえるようになってきました。

Q.02どんな症状があるでしょうか?

逆流性食道炎(胃食道逆流症)の典型的な症状は、次の2つです。

▼胸焼け……みぞおちの辺りから胸の下の方にかけて、チリチリと焼けるような不快感が起こります。胸全体が熱いと感じることもあります。
▼呑酸……胃液がのどの奥や口までこみ上げて、酸っぱく感じます。

ほかに「胸の痛み」「咳」「声がれ」「のどの不快感」などが起こることもあり、狭心症やぜんそくなどと間違われることもあります。

Q.03どんな検査があるでしょうか?

逆流性食道炎(胃食道逆流症)は、主に問診や内視鏡検査で診断が行われます。問診では、胸焼けの程度や頻度、起こるタイミングなどについて、また食生活などについても確認します。
内視鏡検査では、食道の粘膜の状態のほか、胃がんや食道がんが隠れていないかなどを確認します。
そのほか、胃酸の分泌を抑える薬を試験的に1週間ほど投与してみて、症状が改善するか調べる方法もあります。

Q.04治療法にはどんなものがあるでしょうか?

●日常生活の見直し
逆流性食道炎(胃食道逆流症)と診断された場合は、「食生活」や「寝るときの姿勢」など日常生活を見直します。

食生活の主な注意点は、次のとおりです。
▼食べすぎない……腹八分目とし、食べすぎによって胃酸が過剰に分泌されたり、食道と胃の境目が緩んだりするのを防ぎます。
▼食べてすぐ横にならない……食後2~3時間は横になるのを避けます。
▼逆流を起こしやすい食べ物を控える……肉類など脂肪の多い食べ物、チョコレートや和菓子などの甘い食べ物、ワインなどのアルコール飲料をとりすぎると、胃酸の分泌が盛んになったり、食事に影響で分泌されるホルモンの作用で食道と胃の境目が開きやすくなったりします。

夜間就寝中に胸焼けが起こる場合は、上半身全体が高くなる姿勢で寝るようにします。また、体の左側を下にして横向きに寝ると、逆流が起こりにくくなるといわれています。

●薬物療法
日常生活の見直しを行っても症状が改善しない場合などは、薬物療法が行われます。
薬物療法では、主に胃酸の分泌を抑える「プロトンポンプ阻害薬」と「H2ブロッカー」が使われます。胃酸の分泌量が減ると、胃液が逆流しても食道粘膜への刺激が少なくなり、症状が起こりにくくなります。プロトンポンプ阻害薬は、効果の高い薬で、多くの場合症状を抑えることができます。H2ブロッカーには、即効性があります。
ただし、薬物療法で食道と胃の境目の筋肉の緩みが解消されるわけではありません。多くの場合、薬は長期にわたって使う必要があることも知っておきましょう。

●手術
食道裂孔ヘルニアがあり、胸焼けなどの症状が強く、薬で症状を抑えられない場合には、手術が行われることがあります。
手術は「噴門形成術」といい、食道裂孔ヘルニアなどで緩くなった境目部分に、胃の一部を襟巻きのように巻きつけて、境目を締めつけます。これによって、逆流そのものを防ぎます。症状が強く手術が必要と判断される場合には、責任をもって速やかに専門医のいる病院をご紹介いたします。

Q.05逆流性食道炎になりやすい人は具体的にどのような人たちですか?

逆流性食道炎(胃食道逆流症)は,以前よりお年寄りに多い病気と考えられてきましたが、最近では比較的若い年代の方にも起こることがわかってきました。

▼お年寄りの場合……お年寄りでは、胃の一部が横隔膜の上にはみ出す「食道裂孔ヘルニア」を伴うことが多く、そうなると、食道と胃の境目は緩くなります。この場合は、はみ出した部分の胃で分泌される胃液が逆流しやすくなります。

▼比較的若い年代の場合……健康な人でも、食べすぎたり飲みすぎたりして胃が膨らむと、胃と食道の境目が緩んで、ゲップが出ます。これは健康な人にも起こる生理現象です。また、食べすぎたり飲みすぎると、胃酸の分泌も盛んになります。若い年代では、限度を越えて食べすぎたり飲みすぎたりすると、食べ物が通過するタイミングでもないのに境目が緩み、胃液の逆流が頻繁に起こります。特に、夜遅い時間に多量に飲食したあと、すぐに就寝すると、姿勢の影響も加わって、より逆流が起こりやすくなります。

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