医療法人社団 土筆会桜丘クリニック

内科・内視鏡検査・消化器内科・皮膚科

医療法人社団 土筆会
桜丘クリニック

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消化器の病気についてDIGESTIVE DISEASES

胃の主な疾患

Contents

胃がん

ヘリコバクターピロリ感染症

胃・十二指腸潰瘍

機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)

胃がん

胃がんは日本人の死亡率の上位を占め(年間死亡者数50,000人)、男性では第2位、女性では第3位に位置しています。

症状
症状は早期癌の場合、多くは無症状だったり、潰瘍を伴う場合には心窩部痛を訴えることもあります。進行してくると、貧血、胃部不快感、胃痛、悪心・嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状が出ることが多いです。

診断・検査
胃がん検診は胃エックス線検査(バリウム)が主流ですが、早期がんを発見するのは難しい場合があり、胃カメラによる検査の方が優れていることもあります。現在ではペプシノゲン法が集団検診に取り入れられていますが、あくまでも胃がんの発生母地である萎縮性胃炎の診断法であって、胃がんそのものを発見する方法ではないので注意が必要です。

治療
治療は、切除術が基本です。早期癌の一部は、内視鏡的粘膜切除(ESD)で治癒する場合もあります。

ヘリコバクターピロリ感染症

症状
ピロリ菌を原因とする胃・十二指腸潰瘍や胃炎による心窩部痛や食欲不振、腹部膨満などが主な症状です。

診断・検査
検査方法は、胃カメラを行い胃生検材料を用いる方法と、胃カメラを行わないで血液や呼気、便を用いる方法があります。(ただし、胃カメラ検査をお受けにならない場合の検査は自費診療となります)

治療
除菌治療は、内視鏡検査で慢性胃炎の診断のあるピロリ菌陽性の患者さん、胃・十二指腸潰瘍がある患者さんなどに適応があり、3種類の薬(抗生物質2種類+酸分泌抑制薬)を1週間内服して90%の方は除菌できます。除菌後1カ月以上経ってから除菌判定を行います。1回目の除菌治療で失敗した方も、別な薬の組み合わせでさらに約95%の方が除菌可能です。除菌治療の副作用は下痢・軟便などの消化器症状や味覚の変化などです。
除菌が成功した場合、ピロリ菌が原因となっていた胃・十二指腸潰瘍は速やかに軽快し、胃炎も徐々に軽快していきます。10%程度の方が胃酸の分泌が正常になることにより、逆流性食道炎の増悪を見る場合があります。除菌治療が成功した場合でも、慢性的な胃炎が存在する場合は、定期的に胃カメラ検査を行う必要があります。

胃・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸に潰瘍ができる病気で、原因には様々なものがあります。

原因
代表的なもので、ヘリコバクターピロリ感染症、NSAIDs(解熱消炎鎮痛剤)などがあります。

症状
自覚症状には心窩部痛・悪心・嘔吐・食欲不振・黒色便・吐血などですが、時に自覚症状のない場合があり、注意が必要です。

診断・検査
検査方法は胃カメラが有用で、同時にピロリ菌検査も行うことができます。

治療
治療は制酸剤、胃粘膜保護剤などが効果的で、手術になるケースは稀です。ピロリ菌感染が認められた場合は除菌治療を行います。また、潰瘍が治ったことを胃カメラで再検査することも大事ですが、場合により定期的な胃カメラ検査で再発の有無を確認することも重要です。

機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)

機能性胃腸症とは、functionl dispepsia(FD)ともいわれ、胃痛・胃もたれ・胸やけ・食後の不快感などの上腹部症状がみられ、日本人の10人に一人は存在すると言われています。
聞きなれない病名ですが、従来は、神経性胃炎・慢性胃炎などと呼ばれていました。

原因
胃酸過多・消化管運動機能異常・知覚過敏・不安やうつなどの精神心理要因・社会的ストレス・ヘリコバクターピロリ感染症などが考えられますが、詳しいことはわかっていません。

症状
大きく分けて、食後の胃もたれや膨満感を主症状とする「運動不全型(食後愁訴症候群)」と、胃の痛みを中心とする「潰瘍型(心窩部痛症候群)」の二つのタイプがあります。

診断・検査
胃カメラ・腹部超音波検査(あるいは腹部CT検査)・血液検査などで精密検査をしても何も異常がなく(=器質的疾患がない)、上記の症状が半年以上前から存在し、最近3ヶ月間は「週に数回以上胃もたれがある」、「週1回以上胃痛がある」ような方は機能性ディスペプシアの可能性があると判断できます。

治療
生活習慣の改善(食生活を見直す、睡眠を十分にとる、節酒・節煙、適度な運動、ストレスの除去)や薬物療法(酸分泌抑制薬、運動機能改善薬、漢方薬)を行います。